「じゃあ始めから説明しようか」


 そうしてエドワード様が話してくれたことによると、私は魔獣を召喚していなかったらしい。あの日部屋の結界を解き扉を開けると、私が魔力枯渇状態ですでに息絶えていたという。


 とりあえず魔獣に食べられている場面を見せたり、誰か死んでなくて良かった。他の人に迷惑をかけていなかったことを知って、ホッと一息つく。この部分が気になっていたので、あとは知りたいことをどんどん聞いていくことにした。


「それでどうやって、私の魂を呼び寄せたのです?」


 どうして呼び寄せたのか? なんのために私を? という理由も気になるけど、魔術が大好きな私はまずここが先に知りたい。ものすごく高度な魔術だろうし、そもそもこんな魔術あったのだろうか?


「君が残した魔石を利用したんだ」
「私の魔力を吸い取った、あの魔石ですか?」
「ああ、形見分けとして君の父である、オルレアン伯爵から譲ってもらったんだ」


 そう言ってエドワード様はポケットから私の魔力を吸い取ったあの魔石を取り出し、大事そうに手のひらで包んで見せてくれた。