「リュ、リュディカ! 私もあなたを愛しています!」


 悲しい別れの涙は、あっという間に嬉しい涙に変わっていく。竜王様はそれを、唇で拭ってくれ、全身が痺れるような甘さで包まれていった。


 そしてそのまま私たちは、ゆっくりと唇を重ねた。優しく穏やかなそのキスに、また一滴、涙がこぼれる。そしてその口づけは少しずつ深くなっていった。


「…………んんん!」


(な、長い! 竜王様、長いです!)


 パンパンと腕を叩いて離すように伝えても、ガッチリ体を抱きしめられてて逃れられない。それでも恥ずかしさが限界突破した私は、かなりの力で竜王様の胸を突き飛ばした。


「…………もう無理です! また今度! 今度しましょう!」


 それでも竜王様は怒るでもなく、「こうなると思った」とあきれたような顔をしている。こっちは耳まで真っ赤にしているというのに、ものすごく余裕だ。


「わ、私は恋愛初心者なんですよ。そんな私にあれはちょっと、激しいというか……」
「俺もそうだが?」


 なぜか自慢気にそう言うと、またジリジリと私のほうに寄ってくる。するとどこからか私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。