「リコ、もしリコが運命の花嫁じゃなくても、きっと同じことを言っていたと思う。だからこれから言うことは、一人のただの男の告白だ。聞いてくれるか?」
「はい」


 竜王様の両手が私の顔を包む。壊れないように、優しくふれる、温かな手だ。



「初めてリコを見た時から、守りたいと思っていた。それはこれからも同じだ。ずっとリコと一緒に過ごしていきたい。だから、リコ」


 コツンとお互いのおでこが、くっついた。


「俺を選んでくれ。俺はおまえを愛している」


 私は昔から、自分で「一番欲しいもの」を選べなかった。いつも遠慮して、最後の余り物をもらって、それでいいと思っていた。でも今は違う。竜王様も卵くんも、他の誰にも渡したくない。


「私もあなたのことが、好きです。あなたの子どもを産みたいし、家族になりたい」


 そう言って私は、そっと竜王様の首に腕をまわす。彼は少し驚いた顔をしたあと、ニッといつもの意地悪な顔をした。この顔も大好きだ。だから恥ずかしがらずに言おう!