『……うん。すっごく、ねむいの。ママは、もうパパに、うんめいのはなよめって、おしえた?』
「それがね、竜王様ったら、私たちの話を聞いて知ってたの!」
『あ……やっぱりそうだったんだ〜。パパがぼくたちのはなしに、ビックリして、まどバーンてしてたよ』
「え? 卵くんも知ってたの?」


 なんと! あの作戦会議の時、卵くんは『パパは来てない』と言ったけど、竜王様が一瞬で遠くに行ってしまったので、ごまかしたらしい。


『でも、よかった〜。ふわぁ……じゃあ、ママとパパにもうすぐ、あえるね……』
「うん。すぐ会えるよ!」
『んん……ママ、だいすき。パパも、だいすきだよ…………』


 それっきり、お腹からは反応がなくなった。気づけば私の瞳からは、ボロボロと大粒の涙があふれてきて、止めることができない。また会えるってわかってるのに。


 すると竜王様が私の肩をそっと抱き寄せ、呟いた。


「リコ、竜王の卵とは、少しだけお別れなだけだ」
「……はい」


 竜王様の指先が、私の涙を優しく拭ってくれる。そのまま私たちは自然と向き合い、見つめ合った。