「あの朝、侯爵たちが俺を騙すのを実行するのがわかったからな。その場で本物の水晶を持ち出して、リコに選定の儀を受けさせる予定だったんだ」
「え? じゃあ、もしかしてあの時、手を差し伸べたのは……」

「ああ、皆の前で本物の運命の花嫁はリコだと、バラそうと思ってたんだ。だからリコが逃げ出してしまったから、あせったぞ。とりあえずシリルと俺で侯爵を別室に監禁し、その間にリコを探していたのだが、裏庭の小屋でリコのドレスを見つけた時は危うく城を破壊しそうになった」


 すべてが解決したからか、竜王様はものすごく爽やかに笑っている。ちょうどクルルくんが来たから破壊しなくてすんだらしいけど、本当に危なかった。


 それでもギークたちがリプソン侯爵たちと繋がっていて、騙されていたことまでは知らなかったようだ。「調べることが山積みだな」とうんざりした顔をしている。


 すると突然、ものすごく弱々しい声が、お腹から聞こえてきた。