『リコ様、ごめんなさい。ギークが来たから大人しくついて行って、逆に捕まえようと思ったんです。それなのに僕がリコ様を襲うなんて……』


 しゅんとするヒューゴくんの言葉を伝えると、竜王様は労るように彼の首を撫で始めた。


「ヒューゴ、おまえの行動があったから、クルルが俺のところまで来て教えてくれたんだ。そうしなかったら、リコを助けに行くのはもっと遅かったはずだ。感謝している」
『竜王様……』


 なんとクルルくんが、森の奥に引っ張られて行くヒューゴくんを目撃し、竜王様に助けを求めたらしい。


「言葉がわかったのですか?」
「いや。しかしクルルが俺に向かって激しく鳴くからな、リコの行方を知ってるんじゃないかと思ったんだ」
「そうだったんですか。クルルくん、ありがとう」
『がんばた』
「そうだね。クルルくんが、頑張ったおかげだよ!」


 褒められたクルルくんは安心したようだ。とたんに眠くなったみたいで、ヒューゴくんと一緒に寝ようとおねだりをし、二頭は苔の上で寝始めた。