「それは凄い! 国境の辺りは落竜も多いですし、みんな喜びますよ!」
「リコ様、素敵です! 私もお手伝いさせてくださいね!」
「俺だって手伝いますからね!」
『ぼくも、手伝います!』


 団長さんたちの話によると、幼竜を育てるのは竜に慣れている騎士団でも大変で、出産シーズンになると各地の騎士たちが愚痴をこぼすほどだそう。なので保育園の話を聞いたら、問い合わせが殺到するとまで言われてしまった。


「ヒューゴも手伝うと言ってくれてますし、さっそく帰りは彼の背中にクルルを乗せましょう」


 竜王様の気がすごいので、クルルは私たちと一緒にはいられない。なので穏やかな気質のヒューゴくんと鎖でつないで、背中に乗せてもらうことになった。


『リコ様、この子はしばらく僕が面倒を見ますね』
「いいの? 無理してない?」
『誰かの世話をするのは、嫌いじゃないです。それにこの子も、僕に懐いたみたいで』


 最初はおびえていたが、どうやら二頭は波長が合うようだ。クルルはヒューゴくんの背中に顔を擦り付け、甘えている。