「リコ、嬉しい報告があるぞ」
「え? なんですか?」


 最近はよく私をからかってくるので、本当に私にとって嬉しい報告なのか疑わしい。私がジロリと睨んでいると、竜王様は全然こりていないようでクククと笑っている。


「本当に嬉しい報告だ。リコが幼竜と話せるなら、王宮に幼竜を預かる竜舎を建てようと思うのだが、どう思う?」
「幼竜だけを集めるのですか?」
「ああ、リコだけが会話できるからな。幼竜の扱いはけっこう大変だ。よく鳴くから飼い竜であっても、育児放棄する時も多い」
「わ、私がお世話をしていいんですか?」
「全部ではないが、竜の保育の先生になれば良いじゃないか?」


 竜王様の最後の言葉に、雷に打たれたような衝撃が体に走った。


「りゅ、竜の保育園! きゃあああ! 素敵すぎるぅ」


 私が突然叫び声をあげたので、隣で聞いていたルシアンさんは目を丸くして驚いている。しかしそんなことに、かまっている暇はない! だって、だって! 諦めていた保育の夢が叶うんだ!