「あの、竜王様……!」


 私が意を決して告白しようと、抱きしめる腕を緩めた時。ポンと竜王様の姿が変わる音がした。そのまま流れるような動作でベッドに押し倒され、私は何が起こったのかわからず、目をパチパチとさせていた。


「リコ、二人の時は、リュディカと呼べと言っただろう?」
「えっ! 竜王様、姿が、に、人間に……」
「ああ、戻したんだ。それが、どうした? ほら、リュディカと呼ぶって約束しただろう?」
「し、してないですよ! あれは竜王様が勝手に!」


 いきなりどうしたんだろう? さっきまではあんなに暗かったのに、何かのスイッチが入ったように、一気に竜王様の雰囲気が変わってしまった。


 蜂蜜色の瞳はとろけるように艶を帯び、私の耳に甘い吐息を吹きかける。上品な薄い唇からは、少し強引な言葉。それでいて私の髪をさわる手は優しくて、少しずつ私たちの唇が近づいていく。