「なんだ、リコは腹が減ったのか?」
「えっ! そ、そういうわけでは! いえ、そうですね。お腹空きました!」
「フッ……大丈夫だ。すぐに着く」


(あぶない! お腹さわってると、すぐに誤解されちゃうよ。しばらくは外でさわらないようにしなきゃ……!)


「ほら、着いたようだぞ」


 竜王様の言うとおり、予想していたよりも早く、今日の宿泊場所である館に着いた。しかしそこは今までの領主の館とは違い、だいぶ小さめだ。それに近くに竜舎らしき建物もない。しかも木に囲まれるように建っていて、まるで人目を避けているようにも見えた。