「迷い人リコ様、ヒューゴを選んで頂き、本当にありがとうございます」
「そんな、私はただ、ヒューゴくんを気に入っただけですから」


 私たちは似た者同士だ。だからこそ分かり合える。そんな気持ちで選んだので、お礼を言われるのは、なんだかむず痒い。すると団長さんは、軽く首を横に振って、ヒューゴくんの今の状況を教えてくれた。


「もちろん同情からじゃないことはわかります。しかしヒューゴはギークのトレーニングを受けていたため、次の乗り手が決まらない状態でした。一度相棒の竜気を覚えると、他の騎士の竜気を覚えにくくなるのです。なので新人騎士にあてがうこともできず、正直なところ困っていました」

「そうだったんですか……」


 ヒューゴくんはその話を、私の隣でじっと聞いていた。その姿がほんの少し淋しそうに見えて、私はそっと首に抱きついた。驚いた顔をしているけど、嬉しそうだ。パタパタと振るしっぽの感情はごまかせないのだ。


 そしてそんな私たちを見ていた団長さんが、スッと私の前にひざまずいた。