「あ……あの白い竜」
「ん? 気になるか? ああ、あれはキールが暴れていたのを、必死で止めていた竜だな。首に赤い模様があるからすぐわかる」
「ちょっとお話ししてきていいですか?」
「もちろんだ。話して相性を知るのがいい」


 竜王様が穏やかな性格の竜を指定したので、私が目の前を通っても、竜たちは騒がずじっとしている。時折ワクワクした目でしっぽを振っているところを見ると、みんな好意的に私を見てくれているらしい。


 それでも一番最後の白い竜だけは、下を向いて私と目を合わせないようにしていた。


「こんにちは。たしか、ヒューゴくんですよね?」
『……はい。でもぼくを、選ばないほうがいいですよ』
「えっ? それはどうして? 竜人以外は乗せたくないとか?」