「もし相棒のいない竜がいて、その子が私の専属になっていいと許可してくれたら、欲しいです!」
「ああ、じゃあ今から、竜舎に行ってみるか?」
「いいんですか!」


 竜王様のその言葉に、私たちは早速、竜舎に向かった。なにやら騒がしいと思ったら、壊れた竜舎の工事をしているらしい。


(そういえば、昨日はいろいろあったから、この辺をよく見てなかったな……って、メチャクチャ荒れてない?)


 周囲を見てみるとまわりを囲んでいる木が、いくつかなぎ倒されている。しかも地面を見ると、あちらこちらに小さな地割れができていて、ぼうっとしていると転んでしまいそうだ。


「あの、この地面や、あの木はどうしたんですか?」
「ああ、これは竜王様の仕業なんですよ」
「シリル」
「いいじゃないですか。昨日リコが空から落とされたでしょう? それで怒った竜王様の威圧で、こうなったんです」
「えっ! そ、そんな、大丈夫なんですか? それに観客の方とか……」