シリルさんの返事に、へなへなと崩れ落ちるように、机にもたれかかった。


(今までだって十分ファンタジーの世界だったけど、竜が引っ張る乗り物に乗れるなんて!)


 あまりの興奮具合に、口元を手で押さえても、勝手に体がふるふると震えてくる。そんな私の様子を見て、三人は「本当に竜が好きなんですね〜」とニコニコしていた。するとまたしても、私の喜びを最高潮にする提案が、竜王様の口から出てくる。


「そんなに嬉しいなら、リコ専属の竜を決めてもいいかもしれないな。竜には乗りたくないか?」
「乗りたいです! 私専属の竜……! なんて素敵な響き……!」
『ママはぼくを産んだら、ぼくに乗ればいいのに〜』


 卵くんがかわいいことを言っているけど、大きくなって人を乗せるようになるには、きっと時間がかかるだろう。私は慰めるようにお腹をスリスリと擦ると、顔を上げた。