「だからね、なんとかこの特技を活かして、国民の信頼を勝ち取りたいの! そうすれば竜王様に『私が運命の花嫁です』って自信をもって言えるから……」


 今の私ではまだ竜王様に告白できない。もう少しだけ、お妃様にふさわしいものを身につけてから、伝えたい。


『竜人のしんらい? みんなに、すごいって思われたいってこと?』
「そ、そう。何ができれば、そう思われるかな?」


 身も蓋もない言い方だけど、卵くんの言うとおり、すごい人だって思われたい。だって私はこの国に貢献してきた家柄でもないし、美人でもない。頭にはどうしてもあの日の、竜王様とアビゲイル様の完璧な姿がよぎってしまう。


(生まれ育った環境はもちろん、顔やスタイルは変えられない。それなら私にできることは、能力を活かすことしかない!)


『ん〜? まず竜人は、つよい人が好きだよ』
「強い人か……」