「それで誰かの興奮した竜気で吹き飛ばされちゃって、地面に落ちそうになったの。でもね、下にいた竜に助けてもらったのよ。だからもう心配しなくて大丈夫!」


 すると卵くんは意外にもすんなり納得したようだ。まだ子供なので犯人がいるとかは、思いつかなかったらしい。良かった良かった。よけいな心配を増やしたくないもんね。


『はあ〜それなら、よかったぁ!』
「そうでしょ? それにね、今日はとっても嬉しいことがあったの! あと、卵くんに報告したいこともあるのよ!」
『えっ! なになに? ママおしえて〜』


 私にとって今日嬉しかったことは、もちろん竜の言葉がわかると知ったことだ。騎士さんたちも喜んでたし、もしかしたら何かの役に立てるかもしれない。そしてなにより、この世界でやっていく希望と自信がもてた。