私がずっと黙っていたからか、お腹の子はものすごく不安そうな声で聞いてきた。正直言って好きも嫌いもない。そこまで感情がついてきていないし、それに「好きだよ」なんて言ったら、この子は期待するんじゃないだろうか? そう思うと、また何も答えられなかった。


「あ……えっと……」
『やっぱり産みたくない? 僕、いらない子?』
「…………っ!」


(そ、そんな直球な質問は無しだよ〜)


 もともと子供が大好きな私だ。その涙声に胸の奥がきゅうっと切なくなって、私まで泣きそうになってくる。早く間違ってるって伝えてあげよう。そうすれば本当に大切にしてくれるママの元に行けるだろう。私はそっとお腹をなで、なるべく優しい声を出して話しかけた。