(早くお妃様が決まりますように……)


 そんなことを思いながら、あっという間に眠りについた。そして、今。


 私はパンパンと頬を叩かれている。


「リコ! リコ! しっかりしてください! 誰か! シリル様を呼んでもらえますか?」
「う、ううん……」
「リコ! 目覚めたのですね! いったい、どうしたのですか?」
「え……っと、さっき……」


 そうだ! さっき私のお腹に「竜王の卵」だっていう声が聞こえてきて――


(って、そんなこと言えるわけない! 言ったら最後、絶対に殺される!)


 それにあの声は私の幻聴だったのかも。ううん、実はあれは夢で、寝ぼけてパニックになったんだ! そうに違いないわ!