「そう、アデルモだ。アデルモとバトーニ公爵家は、おれみずから首を刎ねてやる。戻ってそう伝えろ。親衛隊、話は終わりだ。つまみ出せ」
「ちょっちょ、ちょっと待ってください」
「竜帝、聖女様、お待ちください」

 お姉様を突き飛ばし、外交官たちがわたしに迫ってきた。

「悪いが、話を聞く気はいっさいない」

 フランコは冷笑を浮かべつつ、わたしの肩に腕をまわした。

 人がいる前ではそういうことをしない彼も、いまは演出している。