「怒れば良いじゃないですか、責めれば良いじゃないですか。俺は、毎回毎回こんな態度なのに!」

不思議そうに短く聞き返された声に、俺はイラついて早口にまくしたてた。

「『こんな態度』って?」

「冷たくて、素っ気なくて、乱暴な態度です!」

またもの疑問の言葉に、俺の感情は火をつけられる。

「あなたなんて……。あなたなんて、大嫌いだ!最初は、俺のことを癒してくれるのかなって、期待してたのに、1年経っても病気は治らないし、謝ったり話を聞いているだけで、根本的な解決は何もしてくれない!」

ああ。

もう、俺は最低すぎる。

不意に、右頬に手を当てると、違和感を感じた。

……水分?

ここは室内、外だって晴れ。

……俺、泣いている?

数秒の間の後、俺は自覚した。

カッコ悪い。

かああああっと、頬と目頭が熱くなって、何が何やら分からなくなってきた。

「何とか言ったらどうなんですかっ!?」

泣きながら、俺は怒りか恥ずかしさか、自分でもよく理解できない感情を、亜犁安さんへと向けた。