放課後、人気の少ないカフェ。

カフェまでの道はいつもと変わりなく話していたが、
席についた途端、顔色が曇ったように感じた。

「急にごめんね。実は愛美に今まで隠してた事があるの。ごめんなさい」


すごく真剣な表情に、どんな隠し事なのか聞くのが少し怖くなった。

でも、きっと彩菜は勇気を出して話そうとしてくれている。

そう思うと私は優しく笑いかけた。


「大丈夫だよ。笑　なに〜？どうした？」


笑顔で彩菜の方を見るが、うつむいたまま。

”、、、、、。”

沈黙の時間が続く。時間が経つごとに不安を感じる。


「実はね、龍先輩と豹先輩と同じ事務所でアイドル候補生として練習してるの。」


「え、え、彩菜アイドルなの？」


驚きを隠せなく、静かな店内に響く。

幸いなことに、周りにはお客さんが居なかった。


「ちょ、、、静かに。！いや、まだアイドルではない」


「え、まだ？まだって？え？」

いつも近くにいた彩菜がアイドルの候補生だったことに驚きを隠せないと同時に

”まだ”という彩菜の言葉に引っかかた。


「愛美落ち着いて聞いてほしいんだけど、

私夏休み忙しいって言っていたじゃん？

あれ実はデビューメンバーに選ばれてずっと練習してたの。」


「え。うん。」


頭の中は混乱で全然処理しきれてないが、

とりあえずは話を聞いて整理しようと静かに聞く。


「それでね、１２月にデビューすることになったの」

「え、、、え！？」

混乱している状況でもわかる。

デビューってすごい事。

大事な友達がアイドル。

つい嬉しくて、声が再び大きくなった。


「愛美静かに！！！」

「あ、ごめん。」


きっと忙しくなるんだろうな〜、、、。

ふと、寂しさを感じた。