「私は…」

新しい出会いに踏み込むのは正直…不安だ。

だけど、ここで少しだけ勇気を出せば、何か違う世界が待っているかもしれない。

寂しかった自分の人生も、変えることができるかもしれない…!

私は覚悟を決めて先生の瞳を強く見つめ返した。

「私、会いたいです!これでなにか変わるなら…家族と話もしてみたいです!」

「分かった。じゃあ、荷物をまとめて。晴香ちゃん以外の子はもう許可をとって会う準備をしているみたいよ」

晴香ちゃん以外の子…?

なぜかその言い回しが気になった。

けれどそれよりも…!

「先生…!荷物をまとめるって…?」

私は会いに行くとは行ったけれど、なぜ荷物をまとめなければいけないのだろう。

もしかして、そんなに遠い場所なのかな…

「もちろん、晴香ちゃんはもうこの施設を出て、生前にあなたのご両親が住んでいた家に家族だけで暮すことになるからよ」

えぇぇぇーーー!?