「今日は一日が長く感じるな」


 そう呟く。
 窓から夜空を見ながら。


 今いるところは。
 諏藤(すどう)くんが貸してくれた諏藤くんの家の中にある部屋の一室。



茉蕗(まろん)、起きてるか』


 眺めている、窓から夜空を。


 そのとき。
 聞こえた、ドアを小さめにノックした音。

 それと。
 小声で私の名前を呼ぶ私の声(心は龍輝くん)が。



 なので。
 ドアの方に行き。
 開ける、ドアを。


 目の前には。
 立っている、龍輝くん(私の姿)が。


「今、部屋の中に入っても大丈夫か。
 少しだけ茉蕗と話がしたい」


「私も。
 龍輝くんと話がしたい」


 思っていた、龍輝くんと同じことを。

 そのことが。
 嬉しい、ものすごく。


 そう思いながら。
 龍輝くん(私の姿)を部屋の中に。