「な、なに泣いてるのよ!?」



薪くんは顔を手で覆っていた。

私は慌てる。




「ちょっ、泣く程のことじゃないでしょう?」

「だって、由乃ちゃんが、きら、嫌いって…」



あーもうっ!!

意味わかんないしホントにやだ。

でも、放っといたら絶対めんどくさいし…



「私が悪かったから、泣き止んで?」

「もう嫌いって言わない?」

「言わない」

「アジト来てくれる?」

「行く、からっ!」



手を顔から離してにんまりと笑った薪くん。

こ、こいつ、泣き真似してたのっ!?



「もうやだ、ホントのホントにきらっ…」

「ごめんっ!!!もうしないからっ!嫌いって、言わないで?」

「許す」



私は思わず頷いてしまった。

だって薪くん、上目遣いでこっち見てくるんだよ?

誰だって頷いちゃうでしょ!

もー!むかつく!



「このイケメンがっ!」

「?」



私はボソッと呟いた。