都内でもわりと大きな部類の書店の新刊コーナーの一角………そこに、俺の『お坊ちゃん探偵』が並んでいた。


苦節二十年、遂に俺の夢が叶ったのだ!



勿論、まだこの小説が売れると決まった訳ではない。しかし、作品の内容に関しては俺は十分過ぎる程の自信を持っている。


それに、あの青川次郎が帯を飾ってくれているのだ!はたしてこれ以上の宣伝があるだろうか。


俺の小説に、青川はどんなレビューを寄せてくれたのだろう………


俺は、興奮しながら並んでいる自分の小説を手に取りその帯を確認した。






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お坊ちゃん探偵【青川次郎氏 評】

『犯人は運転手の安田という男だ!』


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アイツ……マジ殺ス!



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