それはさておき、リュミエールは喜んで彼女へ近づく。
 今まで嘲りの対象だったこの容姿を好んでくれたことが、ただただ嬉しい。

 するとシスターは明るい空色の瞳を輝かせて、またリュミエールの瞳をじっと見つめる。

「本当に美しい、琥珀(アンバー)のような瞳をしていらっしゃいますのね。見ていると心がほかほかと温かくなりますわ」
「そうでございましょう!! こんなに美しい瞳をされている方は中々いらっしゃいませんよね? 御嬢様の良さを認めて下さる方が現われてくれて私は嬉しいです……!」
「え、ええ……」

 がっしと、興奮して手をつかむケイティとその勢いに苦笑いするシスター・ロディア。

 フレデリクは壁に寄り掛かって頬を緩め、そんな様子を眺めていたが……「おっといけない」と慌てだし、再びリュミエールの手を取り移動を促し始めた。

「失礼、このままゆっくりしていたい所でもあるのですが、あまり待たせすぎるとレックスがお(かんむり)になってしまう。またお会いする機会もあるでしょうし、込み入った話はまた今度にさせていただきましょう。シスター・ロディア。彼女達のこちらへの出入りをお許し頂けますか?」
「ええ、もちろんでございます、神は何者も拒むことはなさいません……。またいつでもお立ち寄りくださいな」