「私、この小礼拝堂の管理を任せていただいています、ロディア・エリトールと申します。お会いできて光栄ですわ、フィースバークの侯爵令嬢様」
「こちらこそ、よろしくお願いします。私のことをご存じなのですか? シスター・ロディア」

 ロディアのカーテシーに礼を返すリュミエールとケイティ。
 すると彼女は、じっとリュミエールを見つめてくる。

(どうされたのかしら……?)
 
 嫌な視線ではなかったものの、何となく居心地が悪くなったリュミエールはフレデリクに助けを求める。すると彼はおかしそうに口に手を当てていた。

「くく……シスター、そのようにされてはリュミエールが驚かれていますよ」
「はっ、いけないわ! お許しくださいませ、私、実は銀竜と聖女の伝説の大の信者でして……あんまりに伝承に語られるのとそっくりな容姿をしていらっしゃいますから、ついまじまじと……いやだわ、いやだわ」
(可愛いらしい人だわ、大きいけど)

 頬を手で挟み、顔を真っ赤にして慌てるシスターの顔を見上げながら、リュミエールはそう思った。きっちりと髪をベールに仕舞った彼女はフレデリクと同じかそれ以上に背が高い。ちんまりとしたリュミエールは少し分けて欲しいと思う位である。

「あの……私の顔位でよろしければ、どうぞご覧になって下さい」