◆〈レクシオール視点〉

 静かになった室内で、俺は仰向けに寝転がり、額に腕をかざす。

(こんな事で罪悪感を覚えるなんて……)

 別にリュミエールが傍にいるのが嫌だったわけでは無い。それどころか……これ以上そのままでいると、あの陽だまりのような心地よさから離れられなくなりそうで、それが恐ろしかった。

(あいつが傍にいると、小さかった頃を思い出してしまう……)

 今までの女達は、俺を上辺の面だけで判断する癖、全てを愛して欲しいなどと都合のいいことばかりを言う。そしてそれを俺が拒絶するとすぐに去って行った。

 だが、リュミエールは違う気がした。あいつは俺を理解しようと努力し、自分を変えてでも寄り添おうとしてくる……きついことを言っても、嫌なことがあっても。

 きっと実家では認められず、随分辛い思いをしたはずだ……それでもまたあいつは、周りの人を信じようとしている。