手伝っているつもりなのか、悪戯しているつもりなのかいまいち掴めないけれど、助かったので良しとした。

上りきったところで、荷台から手が離れる。

「綺麗だ」

彼が断言する。

ここは街と海が眺望できる。
今日は晴れているので特に遠くまで見渡せた。

「何もないとこですけどね」
「おにーさん、この島出身?」

彼は瞳の中に取り入れた景色のキラキラをこちらへ向ける。

「はい。生まれてから大学もここです」
「大学生? 俺、今年21」
「じゃあ同い年ですね」
「え、本当に?」

何故ここで嘘を吐く必要が、とそちらを見上げれば、真っ直ぐ見下されていた。