その説明口調に理解を追いつかせる。

「この辺に来てるってことですか?」
「きっと、たぶん、絶対」
「手がかりとか……」
「そういえばこの神社って何が有名?」

拝殿が見えて、二人して立ち止まる。

うちの家も毎年ここへ初詣に来るけれど、そんなことを考えたことが無かった。

「……さあ?」
「金運とか縁結びとか商売繁盛とか」
「神様って魔法使いじゃないし。毎年、今年もよろしくって挨拶ばっかりしてた」
「それが一番信心深い人の意見だな」

参拝の列に並ぶ。ヤマダさんが空を見上げた。

「でも今日はヤマダさんの探し人が見つかるようにお願いしてみますね」