「ククク…遅いんだよ琴。ドンマイ!」



なな…!

鷲、わざとだな。

私は頬を膨らませて仕方なく通路側に座ろうとした。

その途端、体がヒョイと浮く。



「え…?」



私は、窓側に座らされていた。



「鷲?」

「ははは、冗談だよ。レディファーストだもんな。」



鷲がカラカラと笑う。

私の心臓は忙しく動いていた。

私のことを軽く持ち上げられるほど発達した体。

ゴツゴツした手。

結構、ドキッとした。


たまに思うけど…


やっぱり、鷲って、男の子だよね。