きた、あまい球! スマッシュ!! ………いや。 『プッシュで追い込め』 竜二先輩が言っている気がした。 私は振りかぶったラケットを急に止め、プッシュを打つ。 「え…?」 プッシュは三星の左肩をすり抜ける。 よし! しかし、部内最強のペアだけあって、一筋縄ではいかない。 鷲がプッシュの球を打ち返してくる。 これも、プッシュをすればいいんだよね。 私はラケットを構えた。 でも。