食事が終わると正志は小声で聞いた。
「今日はどうする? 僕の家はここから直ぐだよ。来る? 」
はい・・・って言っていいものなのか・・・どう返事をすればいいのかわからなかった。
その様子を見てか、正志は言った。
「お店出ようか。」
正志さんは会計を済ませて店を出た。
「楓、俺の家に来て・・・」
正志さんは耳元でささやき、私の肩を抱いて歩き始めた。
正志さんの家はマンションの高層階にあり夜景が綺麗だった。
1LDKだが広々しており、男の部屋らしく黒と白で統一されていた。
「すごい、綺麗・・・」
「あわてて掃除したよ。」
「そうじゃなくてインテリアも景色も全部素敵。」
「一応、建築士だからね。」
そうだった。正志さんは建築士だった。
「すみません。素敵なのが当たり前ですね。」
「気に入ってもらえてよかった。」
窓際で夜景に見入っていると、正志さんは私を背後から抱きしめた。
「もう、待ち遠しかったよ・・・楓・・・あれから2ヶ月、待たせてごめんね。」
正志さんは私の首筋にやさしくキスをして、抱きかかえベッドに連れて行った。
「楓、ずっと君を愛すから・・・大切にするよ。」
朝、正志さんの家で目を覚ました。今日は土曜日だった。
「おはよう楓。」
となりに裸の男の人がいる。まだ慣れない
・・・恥ずかしい・・・
「おはよう・・・ございます。」
「身体大丈夫? シャワーする? 」
「はい、シャワーどうぞ正志さんが先に・・・」
「一緒に入る? 」
「えっ? 」
「うそうそ、先に入っておいで。」
私はゆっくりとシャワーを浴びた。昨日のことを思い出して一人赤くなりながら・・・
「お先にありがとうございました・・・正志さんどうぞ。」
正志さんは私の頬にキスをしてからシャワーに行った。
正志さんがシャワーをしている間に急いで髪を整え化粧をして着替えた。
しばらくして正志さんは、腰にバスタオルを巻いているだけの格好でシャワーから出てきた。その姿に改めてドキッとした。
「楓早いね、僕も急いで着替えるよ。・・・ところで今日はお母さんのところに行く日? 」
「はいそうです。いつもは2時頃行っています。」
「じぁあさ、ゆっくりどこかでブランチして、それからお母さんの病院に一緒に行こうか。」
「えっ? 今日? 」
「今日じゃダメ? 長野に行く前が良くない? 」
「ありがとうございます。」
・・・嬉しい・・・