今の数分だけで、どっと疲れた。
(早くあのフカフカなベッドに寝転びたい…)
でも今はベッドはここにはないので、柔らかなクッションが使われた席で我慢するしかない。
それはそれで気持ちいいのだけど。
どちらにせよ日南の挨拶が終わるまでは席に戻れないので、
先ほどの日南と同様に、陰に隠れるようにステージの隅で気配を消す。
琴が下げたマイクを上げ直して、眉間に皺を寄せて仏頂面のまま日南は話し出す。
「…宙星学園に入学できたこと、とても嬉しく思います」
顔と同様に、声までぶっきらぼうだ。
話し方がぎこちない気がするのは気のせいだろうか。