それこそ品評会か何かのように、一挙手一投足に点数をつけられているようだ。

こうもあからさまだと、いっそ清々しいが、だからと言って気分のいいものでもない。

隣を歩く百合もとても緊張した面持ちで、足と手が一緒に出てしまっている。

「大丈夫?」

「あ…、うん、何とか」

クラスごとで固まって座る以外は自由席なので、必然的に百合と隣になった。

「そういえば、さっきの金之助って人とは…」

「ご、ごめんね。変なのに巻き込んじゃって」

「いや、別にいいんだけど…」

百合の態度からして、金之助のことを嫌っているわけではないことは分かる。