あれは中学校から家までのいつもの帰り道を歩いていた時のこと。

突然、前を歩いていた老人とその付き人らしき犬獣人がガラの悪い三人の男たちに絡まれたのだ。

老人は杖を付き、犬獣人はそんな老人に手を添えて支えていた。


そんな二人を通らせまいと、ガムを噛みながらガラ悪三人衆は足止めしていた。

「おい、邪魔なんだよ」

「端に避けろや」

「逆らったら分かるよな?」

通りたいのなら縦一列にでもなって通ればよかろうに、全く邪魔になっていない二人に言いがかりをつけるガラ悪三人衆。