「久し振りだね」

「う、うん…」

二人は知り合いのようだが、態度がぎこちない。

一言だけ言ったきり、お互いに黙って気まずい雰囲気が流れていたので助け舟を出す。

「お二人はどういったお知り合いで?」

「え、えっと…」

「幼馴染なんです。と言っても、百合が僕を避けるようになってから随分会ってなくて…」

戸惑うばかりの百合に代わって、金之助と呼ばれた狐人獣が答える。

「幼馴染…、ですか」

金之助と呼ばれた彼が『避ける』という言葉を紡ぐと、百合の肩がビクッと動いた。