「なるほどね…」
「す、すみません。隠したかったんですか?」
焦ったように謝る百合を「大丈夫」と言って宥める。
「いや、いずれは知られてしまうことだし、むしろ教えてくれてありがとう」
「い、いえいえ、お役に立てたなら良かったです」
ーー入学式が開催されるホールの前に着くと、他の主人科、従者科の3クラスはもう集まっていた。
その中の従者科の先生らしき女性教師が、私たちに気づくなり早乙先生に文句をぶつける。
何故、従者科の先生だと分かったかというと、クドには劣るものの立ち姿が戦闘に慣れた人のそれだったので、何となく察した。
「早乙先生、遅いですよ」
「いやぁ、すみません」
「それに、こういう時ぐらいはちゃんとした格好をっていつも言ってるのに。大体あなたはね…」