だからこそ、この学園では数字で明確にして態度を改めさせるのだ。

「…東 紫音(あずま しおん)。-5点な」

早乙先生は教卓の引き出しからバインダーを取り出すと、中に挟んだ紙に書き込んでいく。

「何よ!私だけ減点されるとか不公平じゃない!」

「原因を作ったのは自分だろ?不満ならもうしないことだ。…式に遅れるから行くぞ」

先生の言葉で少々重い空気の中、入学式が行われるホール会場に向かうため動き出したが、

初日から減点された紫音はずっと「私は東グループの娘なのにっ」「なんで私だけこんな目に…!!」と不満を呟いていた。

(東グループ…?)

聞いたことがなかったので、隣の席になって何となく一緒に歩いている彼女に質問する。


{学校の敷地内に、主要なイベントが開催されるためのドーム型のホール会場があるという異常さには、この際もう口を挟むまい}