早乙先生は深い溜息を吐いて、絡んできた女子生徒を真っ直ぐ見据えながら答える。
「あのなぁ…、俺の家柄がどうであれ、教師である俺にそんな態度だと減点の対象になるぞ?」
「な…っ、はぁ!?こんなことで減点とかありえないんですけど!!」
減点とは主従コンテストにおける点数のことを言っているのだろう。
普段の生活態度も見られるため、生徒たちはいつも節度を持った行動が求められる。
権力やお金を使ってなんでも思い通りにする大人にさせない為にも、このルールは一役買っている。
すべて自分の思い通り、なんてことは社会では通用しない。
権力やお金でどうにかできるものなんて限られている。
それに子供がやらかしたことは周りの大人の責任になるが、自分が大人になればそうはいかない。
自分の行動には自分で責任を持つ、それが社会人のルール。