「並大抵の人間では、私に傷一つ付けられませんよ」
「忍者や獣人(人獣)は、また違うとは思うが?」
「確かに。そこは戦ったことがないので何とも言えませんね」
獣人(人獣)とトラブルになったことはないし、忍者は存在自体知らなかった。
ただ、“獣人”対“人獣”の喧嘩なら見たことがある。
熊獣人と狼人獣で、どちらも常に上位に君臨する猛獣だったので、それはもう激しい喧嘩だった。
瞬く間に獣化して鋭い牙や爪を駆使して戦っていた。
周りは野次馬で溢れ、いつ二次被害が出てもおかしくなかった。
警察が出動する大騒動に発展して、連行された二人の喧嘩の理由は好物のプリンを勝手に食べられたとか何とか…。
なんとも肩透かしな理由だった。
でも確かあの時、仲裁に入った犬獣人がいて周りに被害が出なかったんだったような…。
(子供の頃だったから思い出せないけど…)