「なんだそれ」
早乙先生も笑っていたが、見た目のせいで笑顔が不気味に見える。
(身だしなみを整えたら結構、印象変わると思うんだけどな…)
髪を切って整えて…、と想像しようとするが全く思い浮かばない。
そもそも顔もまともに見ていないのに分かるはずないのだ。
(うん、そうだ)
決して自分の想像力が乏しいわけではないと思い直して自己完結する。
「まぁ実際のところ、俺よりかは強そうだな」
私がそんな葛藤をしているなど知る由もない早乙先生が納得した顔で頷く。
「でしょう?」
私も私で、考えていたことを噯気(おくび)にも出さずに答える。