私はもちろん主人科で、A組と事前に知らされていたのでその旨を伝える。
「んじゃ、俺の生徒になるな」
「え…」
「一年A組、主人科担当の早乙だ。よろしくな」
「あ、はい。よろしくお願いします」
右手を差し出されて拍手を求められたので、反射的に応じる。
この人は見かけによらず陽気な感じがする。
「よし、じゃあ教室に案内しよう」
何がよし、なのか分からないが助かったのは事実。
危うく入学式に遅れるところだった。
「つーか、よくこんなところまで来たなぁ。教室とは逆方向だぞ?」
「いや…、自分では方向音痴の自覚はなかったんですけどね…」
「まぁまぁ、初日は仕方ねぇな。…ところで、お前の後をつけてた奴はお前の従者候補かなんかか?」