「…何だお前、迷子か?」

「え…、あぁ、まぁ…。あなたは…?」

見るからに怪しいが、一応スーツを着ているので学校の関係者だろうか。

長い前髪が邪魔で顔の判別ができない。

ネクタイを上まで締めず、中に着た白シャツのボタンも何個か開けっ放しにしていて、だらしないことこの上ないのだが。

「俺はこれでもここの教師だから安心しろ。迷子ってことは一年だろ?

忍者には見えねぇから主人科だな。AとBどっちだ?」

この学園は主人科、従者科に分かれ、それぞれA組B組の2クラスしかない。

主人科は、経営学や教養の授業がある以外は一般の学校とは変わりはない。


従者科は忍者と獣人(人獣)でクラスが違う。

それぞれA組が忍者、B組が獣人(人獣)だ。

こちらは主に訓練を中心とし、一日七時間ある授業の内の半分は訓練をするのだそうだ。