下に降りてフロントの前まで来ると、昨日と同じフロント係の男女二人が立っていた。

二人は私に気がつくと、にこやかに「行ってらっしゃいませ」と頭を下げた。

そんな丁寧な扱いに慣れていないので、小さい声で「どうも…」と言ってそそくさと逃げるように寮を出る。


そしてアーチの中を通って、本館に入る。

昨日の記憶を辿りながらあちこち歩いてみるが、なかなか着かない。


(あ、これ迷子だ)

しばらくしてそう気づいた時には手遅れだった。

「この学校、広すぎ…」