予想だにしていなかったその言葉に目を瞠ったが、

動揺したことをなるべく悟られないように、出来るだけ冷静になろうと詰まった息を吐く。

弱いところを見せたら負けだ。

「…何か知っているのですか」

「学園に入れば、分かることもあるじゃろうな」

「ここでは教えてくれないと?」

「どうするかはお主次第じゃ」

これは一見、選択権を委ねているように見えるが、最初から私に別の道など用意されていなかった。

両親のことを持ち出せば、私が断れないことを分かっていて話しているのだ。