二人を見比べて、疑問をぶつける。


「それに、何故あんな人気のないところを歩いてらっしゃったんですか?

大通りからは少し距離があったから、九条 麟太郎さんのその足では大変な労力なはず。

普段は車に乗って移動してらっしゃるのではないですか?

だとしたら、車がよく通る大通りからわざわざ人も車も滅多に来ない場所まで歩いてきたことになる。

わざわざ、私が〝いつも通る帰り道〟まで」

二人は私の言葉を静かに聞いている。

麟太郎なんかは少し微笑んでさえいる。

その余裕から、ここまで当てられることも最初から読んでいたのだろう。

「見る限り、あなたたちはこんな辺鄙な場所に〝特別な用事がない限り〟来る人たちではないでしょう。

身に着けているすべてが一級品だと私でも分かります。

私を試し、元からの目的だったであろう学園への誘い。

あなたたちは何者で、本当の狙いは何ですか?」