「いやいや、大したことじゃよ。何か礼をせんとな」

「礼…、ですか」

その言葉で、ずっと感じていた違和感が明確になった。

(この人たち…、何かを企んでるな。最初からこれが目的だったか)

麟太郎は悩んでいるような素振りを見せるが、違和感が浮き彫りになった今ではわざとらしいとしか思えない。

「おっ、そうじゃ。実は儂はな、ある学園の理事長をしとるんじゃ。

そこへ入学せんか?もちろん授業料は免除じゃし、

その他色々、金の心配はせんでいい。全寮制で家の心配もないぞ」

「なんていう学園ですか」

「宙星学園。主従制度のある学園じゃ」

それから宙星学園について軽く説明を受けた。

「なるほど、そんな学園が…」