ある日、私が学校に遅れてやってくると、 
「おはよう。さゆ」
親友のみゆが微笑んできた。

いつもと様子が違う。

「どうしたの」
気遣いながらそっと話しかける。
するとみゆは少し上目使いになり、私の様子を伺いながら口を開いた。
「実はさ。私少し蓮君の事好きかも。」



         え?



私とみゆの間に長い沈黙が流れた。
飲み込むまで少し時間のかかる事だった。
蓮は私の幼馴染。
ずっと一緒にいた。
それで、私は少しずつ、少しずつだけど
好きになっていた。なのに。なのに。


よりによって親友が蓮の事を好きになってしまうなんて。