「ねぇ、今の人見た?」


すぐ近くを通りすがった女の子2人の声が耳についた。


「見た!眼鏡の人でしょ?めっちゃかっこよかった!」

「リアル王子さまみたいだったよね〜♡」


……あぁ、私ったら。優越感でにやけちゃうなんて。


「ん?」

私の視線に気づいたのか、キラッキラ王子さまが優しい笑顔で軽く首を傾げる。


ボゴォ…ン!!


……あ、今のは心臓が破裂した音ですありがとうございました。


「な、なんでもないよ!あっ、お腹空かない?お昼にしよう!」

私は誤魔化すように言って、辺りをキョロキョロ見渡す。

「…あっ!柊哉くん!わたし行ってみたいところがあるの!」

私は前から気になっていたある場所を指差した。